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シンガポール通信
旅行
ランカウイ滞在記(写真付)
2009年12月26日ー29日 
 今まで、このHP上では、リゾートの滞在記は掲載してこなかったが、実は私の家庭は大のアジア好き家族である。現在は、子供の教育もあり、私はシンガポールに単身で滞在しているが、子供の学校の休みには、時折こちらに合流し、ここから短いリゾート滞在を楽しんできたし、そもそも私の赴任前は、日本からアジアのリゾートを頻繁に訪れていた。そうしたアジアのリゾート滞在記は、そのほとんどが能天気な旅行であったことから、あまり記録を残していないが、今回から、そんな気楽な旅行についても、簡単に掲載していきたいと考えている。その嚆矢として、マレーシアはランカウイ島での短い滞在から報告させてもらいたい。

 マレーシアの北部、タイ国境近くの西海岸に位置するランカウイ島は、マレーシア政府が、リゾート島として開発を推進している地域である。そのため、シンガポールにいると、マレーシア南部については、シンガポール・ナンバーの高級車がギャング団に襲われたとか、日本人がパスポートを盗まれたとか、あるいは高速道で事故が多発しているといった治安に関わる不安を多く耳にするが、この島についてはそうした懸念が少ないといわれている。そんなことで、今回の家族滞在に合わせて、この島への3泊4日の小旅行をアレンジした。

 現地の格安航空会社エア・アジアの系列旅行会社で、インターネットで予約した旅行は、フライトとホテル3泊(朝食込み)で、464シンガポール・ドル(約30千円)/ 一人の格安旅行である。ホテルは、「ランカウイ・ラグーン・リゾート」。本館と別館があるが、今回予約したのは「Sea Village」という、海の上に建てられた別館のキッチン付スタジオである。

 格安旅行ということもあり、26日の出発便が直前に、当初予定の午前9時10分から、午前10時45分に、また29日の帰国便が、当初予定の10時半から8時45分に変更され、滞在時間がその分短縮されることになったが、その程度の変更は許容範囲である。

12月26日(土)

 クリスマス明けの土曜日午前、シンガポール・チャンギ空港を出発したエア・アジアAK5343便は、約1時間強のフライトで正午前にランカウイ空港に到着した。いつものとおり、機内サービスは一切ない(又は有料の)フライトであるが、何の痛痒も感じない。灼熱の日差しが降り注ぐ中、タラップを降り徒歩でターミナルに向かうが、そもそも短パン・Tシャツ、サンダル履きで降り立った我々にとっては、真に快適な気候である。

(ランカウイ空港)




 通関を終え、マレーシア・リンギ(Rm)を調達する。S$200=Rm480(@2.4)ということで、Rm1=27-8円といったところである。タクシーでホテルに向かうが(Rm12)、今回のホテルは空港から至近距離にあることもあり、1時過ぎにはホテルに到着し、チェックインを済ませた。ウェルカム・ドリンクに、ココナッツ系のノン・アルコール・カクテルが供されて、リゾート気分が盛り上がる。本来3時以降アベイラブルという部屋も既に準備が出来ているということで、すぐに本館と別の水上コテージにある部屋に入り、荷物の整理を済ませて、プールサイドにある朝食用レストランで、軽く「ナシゴレン」、「ミーゴレン」等で腹ごしらえをした後、プールサイドでまずは怠惰な時を過ごした。引続き天気は快晴。やはりシンガポールに比べると、紫外線が相当強いと感じる。しかし、4時過ぎくらいから日が翳ると、乾燥していることもあり、結構涼しいくらいの気候である。

(水上コテージ)




(部屋のバルコニーから)




 到着してからゆっくりとその後の予定をたてるのが我が家の慣行である。まずは、翌日のツアーをホテルのパンフレットを参考に調べ、一応「一番人気」という「マングローブ・ツアー」を申し込んだ上で、この日の夜は、近所のメイン・ショッピング通りであるパンタイ・ケナン(Pantai Cenang)に行こうということでタクシーに乗った。

 約20分で、この通りに入る。その日の夕食レストラン候補ということで、ネットで評判の高かったシーフード・レストラン「Orkid Ria」の位置だけ確認してから、通りの中ほどでタクシーを降りて歩き始める(タクシー代はRm18)。

 一応、この島一番の観光客向け繁華街ということであるが、やや今までのアジアのリゾートと感じが違う。通りの両側にある店は、土産物屋にしてもレストランにしてもやや垢抜けがしていない。何よりも、「一番の観光客向け繁華街」と言われるには、店の数も人通りも少ない。アジアの旅行の楽しみの一つはマッサージであるが、通りに何件かあるマッサージ屋は、値段が30分の足マッサージでRm40と、タイとは比較にならないくらい高く、むしろシンガポールと同じレベルの価格である。もちろん値下げの交渉はできるのだろうが、そもそも、アジアの場末のマッサージ屋に慣れている我々にとっても、その値段で入りたいと思える感じではない。何軒か見たが、結局今回は、マッサージは諦めることになった。
 横丁を入り海岸に出て、沈む夕日を眺めたり、通りに戻り屋台で買ったワッフルなどを頬張りながら、先ほどのレストランに腰を落ち着けた。

(パンタイ・ケナン通り)


(クレープ屋)


(パンタイ・ケナンの海岸)


 ここは所謂「イカン・バカール」というアジアでよくある、氷の中に置かれた魚介類の素材と調理法を選択し注文するレストランで、この日は鯛のディープ・フライドに海老の炒め物とイカ揚げ、そして野菜炒めをご飯のおかずにしたが、味はなかなかで、値段も飲み物込み4人でRm94.20とリーゾナブルであった。

(Orkid Riaの料理)


 食後、通りの反対方向を歩き始めたが、あまり店もなく、結局小さな果物屋でデザート替りのカット・フルーツを買ったり、またワッフル屋に立ち寄っただけで、タクシーでホテルに戻ったのであった。

12月27日(日)

 この日は、午前9時ホテル発での「マングローブ・ツアー」(Rm160 / 一人)である。やや集合が遅れたが、9時15分過ぎには、迎えのミニ・バスに乗り出発した。我々4人の他は、中国系1組とモスレム系2組のカップルといったメンバーである。

 30分ほどのドライブで、船着場に到着する。車で走った感覚から考えると、島の北東部の海岸に来ている感じである。15分ほど待たされた後、集まった他のグループと共に、15人位づつ、3席の船に分かれて乗船し、一番前に席をとる。ミニ・バス同乗者の中では、中国系のカップルだけが、当方と同じ船で、それ以外の乗客は別のホテルからの客である。

(マングローブ・ツアーの桟橋)


 船は外海に出て、スピードを上げる。昨日に続き快晴の空のもと、強い日差しが照りつけるが、風があるためあまり暑さは感じない。ちょうど、昨年タイのプーケットで参加したバンガール湾ツアーのように、海から突き出た印象的な岩の横をすり抜けながら、まず静かな島の側で、配られたパンを使った魚の餌付けをやり、続けて細い回廊を通り、周りをマングローブの林で囲まれた静かな内海で、イーグルの餌付け。時には50羽以上来ることもあるというが、この日は数匹が現れただけで、海に投げられた鶏肉をさらっていった。

(船から)






 長閑な船旅の過程で、側にいる他の乗客と話がはずむ。まずはすぐ隣にいたスタイルの良い若い女性。聞くと、イランはイスファハン出身の27歳で、クアラルンプールにいる双子の兄弟と従兄弟家族と一緒にここに遊びに来たという。見ると船の後ろに、顎鬚を生やした、むくつけき男と、小さな子供連れの家族がいたが、それがグループである。イラン国内の男尊女卑に愛想をつかして、現在はストックホルムで働いており、今後もそこに長く滞在する予定であるという。また反対側の横には、若い、いかにも新婚旅行というカップル。話し始めると、サウジ・アラビアからのまさに新婚カップルで、男は銀行勤務(Saudi National Bank)、女はまだ大学で生物学を勉強中の学生で、親の紹介で結婚したばかりとのこと。男はほとんど英語が出来ず、ほとんど女性と話をすることになった。彼女は、頭に薄いスカーフを巻いているだけであったが、その後、サウジからと思わしき、女が足までの黒装束を纏い、目だけ出しているカップルなどもホテルのプールサイドで見かけたので、結構この国からのハネムーン客も多いようである。同じモスレム国家で、それなりのリゾートということもあり、マレーシアには来やすいのであろうか。

 船は、途中、海にブイで浮かべた「Fish Farm」で休憩したり(トイレがすごかった!)、細い回廊をゆっくり航行しながら、カニや蛇、あるいは野生の猿を眺めたり、陸地に上がり、蝙蝠が無数に天井にとまっている「Bat Cave」を訪れたりして、昼食レストランに立ち寄ったのがもう1時半近くであった。

(回廊の航海)






 簡単なブッフェの昼食を取った後、2時半頃、ここを出発。そもそもこのツアーのホテル戻りは3時と聞いていたので、直行で出てきた港に戻るかな、と考えていたら、その前にもう一箇所、海岸に上陸するという。明らかに陸地からは人が入れないきれいな砂浜に、3隻の船の全員が上陸し、船は沖合いに一旦引き上げる。約30分後に戻るとのことであるが、イランの若者は早速水着になり、持ってきた足ヒレまでつけて泳ぎ始める。また小さい子供連れのその親戚の若いお母さんは、Tシャツのまま水の中に入っていった。そうした様子を見ながら我々は、砂浜でのんびりと過ごしたのであった。しかし、そもそも予定にない滞在であった事から水着を用意していない我々にとっては(そして他の多くの人々も同じであったと思うが)、ビーチでただ海を見るだけの30分は退屈であった。また水着を用意してきたとしても、更衣室やシャワー施設のない場所なので、体が海水で濡れてしまうと帰りがつらい。イランの一行は、泳いだまま船に乗り、そのまま風で乾かしていたが、普通に考えるとツアー全体のオーガナイズが不十分であったという感じは否めなかった。

(静かな浜辺)


 再び船が浜辺に到着し、そこを出発したのが3時20分。途中救命用具が風で飛ばされ引き返すことはあったが、20分ほどで船着場に戻り、4時過ぎにはホテルに帰着したのであった。
 
 夕方までプール・サイドで過ごした後、夜は、今度はもうひとつの繁華街であるこの島の首都クア・タウン(Kuah Town)に行くことにした。ホテルで情報をもらい、7時前にタクシーでホテルを出た。昨日のパンタイ・ケナンよりもやや遠く、タクシーで30分、料金はRm24で、この島一番といわれるショッピング・センター(Langkawi Parade)に到着。確かに小奇麗ではあるが、シンガポールやその他アジアのSCと比較するとごく小さく、売っている品物はあまり面白くない。ここは島全体が免税である、ということで、このSCにも「Duty Free Shop」と銘打った店が入っていたが、衣料品スーパーに毛が生えた程度で、今一。昔ペナンのナイト・マーケットで、錫製ピューターなど、思い出の多い品物を格安で買ったこともあり、今回も期待していたが、それらしき店やコーナーもなく、買い物はここでもがっかり。しょうがないので、ホテルで薦められた「Wonderland」という店(あるいは地域)で夕食でも、と思い、SCのタクシー窓口で聞くと、そこは閉まっているという。丁度SCに来る途中に降り出した雨が、小降りになっていたとはいえ、まだ少し残っていたこともあり、結局SCの向かいのローカル・レストランに飛び込んだ。

 昨日の夕食と同様の「イカン・バカール」の店であるが、店つくりは一段下のローカル向き。スカーフを目深にかぶった地元の親子連れが黙々と食事をしている横では、スラブ系らしき言葉をしゃべる男女の8人組みが、豪勢な食事を注文している。そうした地元及び観光客の双方で結構混んでいたので良いだろうということで席を取り、まずはビールを注文すると、「ビール等のアルコールはだしていない」という。しかし、そのスラブ系の青目集団が、ビールやウイスキーを飲んで大騒ぎをしているので、「あれは何だ?」と聞くと、上司の許可を得て持ち込んでいる、という。「それでは我々も持ち込むので上司の許可を取ってくれ」と言い、了解をもらった上、隣のコンビニで、ビールとソフト・ドリンクを購入した。メインの料理は、昨日少し食べ過ぎたこともあり、イカ揚げとエビの炒め物と野菜プラス白米に留めた。飲み物抜きで値段は昨日の半分のRm46。 飲み物を入れてもRm60程度の食事ではあったが、十分であった。この町には、この島の伝説であるマハスリ王女の墓や島の象徴であるイーグル像などもあるとは聞いていたが、食後で町は暗くなっており、あまり散歩をするような気分ではなかったことから、そのままホテルに戻ったのであった。

12月28日(月)

 朝、6時前にふと目を覚まし、部屋のバルコニーから空を見上げると、満天の星であった。そのまま部屋を出て、水上コテージの通路で、光の少ないところからもう一度星を眺めた。これはやはり東京やシンガポールでは見られない光景である。

 もう一度ベッドにもぐり、ゆっくり目覚めてから、遅い朝食を取っていると、昨日家族がプールサイドで出会った英国からの家族連れと再会し、同じテーブルで話し込むことになった。曽祖父がケニヤから英国に移住したインド系で、今年長男が大手会計事務所PWCに就職したという子供3人の家族。おやじは、英国中部の都市レスターで衣料品関係の会社を経営しているということであったが、夫婦共に話が弾み、途中から起きてきた双方の子供たちも入り、長い朝食になった。「シンガポールに数日滞在してからここに来たが、ここでは買うようなお土産がなく、シンガポールで買っておけば良かった」、と奥さんが不満を言っていたが、これからKL経由で帰国するということだったので、「KLで買えるよ」と慰めたのであった。

 その後準備をして11時15分、4時間Rm100で仕切ったタクシーで出発。10分で「Oriental Village」に到着する。ここは、この島の名物であるロープウェイの乗車駅がある他、その周辺にいくつかのアクティビティの設備がある。ロープウェイは、到着直後に、既にマレーシアの学校休暇時期ということもあり、1時間半から2時間待ちという話を聞いていたが、案の定長蛇の列。我々の性格には合わないと諦め、まずは子供たちを2輪駆動のSegway(Rm17/ 一人)に乗せる。すぐに操作に慣れ、ガイドに連れられて20分程度で園内を一周してきた。続けてQuad Ride という四輪駆動のゴーカートでのジャングル体験。Rm160 / 15分 / 一人と値段は高めであるが、結局子供たちが消えてから30分近く時間が経つまで戻ってこなかった。話によると、岩だらけの坂を上り、横転しそうになったりと、結構スリリングであったらしい。そしてRope Fall (Rm10 / 一人)。建物の2階からロープに吊り下がり、池を越えて着地するアトラクションで、私以外の3人がトライした。

(Oriental Village)




その間、土産物屋を覗いたり、軽いおやつを食べたりしつつ、結局2時間近くここに居てから、13時15分頃にここを出発。途中ワニ園(Crocodile Farm)に立ち寄るが、餌付け等のアトラクションの時間には合わなかったので、そのまま素通りし、Pasir Tengkorak Beachに向かった。

昨日、マングローブ・ツアーの途中で立ち寄った砂浜では泳げなかったことから、ホテルで聞いて、近所にあるきれいな砂浜ということで紹介された場所である。ホテルも、プールのすぐ横が砂浜であり、ビーチバレーやウォーター・スポーツの施設はあるが、水上ホテルのバルコニーから眺めていると、結構水面に不純物が浮かび、あまり泳ぐという感じではない。そこで一回きれいな海に入ろうということで訪れた。

 更衣室やシャワーはあるといわれていたが、朽ちかけたボロボロの建物である。男のシャワー室は、木の扉が内側に倒れており、それを立てかけなければならなかった。しかし、それでも海はさすがにきれいで、持って行ったパンを投げ入れしばらくすると魚が寄ってくるなど、快晴の天気の下、しばらくのんびりと、久々の海水浴を楽しんだのであった。

(Pasir Tengkorak Beach)




 3時過ぎに海から上がり、朽ちかけたシャワーを浴び、帰途、ケンタッキーチキン(ハンバーガーはやや懸念があるが、これは確かにこの国では売れるのだろう)の持ち帰りを買い、ホテルに戻ったのは3時半前。略タクシーの契約時間通りであった。夕方まで、家族はプールサイドで、私はビジネス・センターで少し仕事をして、夕刻までの時間を過ごした。

 最後の晩である。2つの繁華街がやや期待はずれであったことから、この日はホテル内でゆっくり過ごすことにした。昼食を取ったのが4時前であったこともあり、あまりお腹も空いていないので、浜辺にあるビーチ・バーで、カクテルとピザで簡単に済ました。3人組のバンドが洋楽を演奏するのを聴きながら、静かに流れていく時間に家族全員身を任せたのであった。

(ホテルの浜辺―中央の小屋がビーチ・バー)


12月29日(火)

 帰国日である。前述のとおり、帰国のフライトも8時45分発に早まってしまったことから、7時に朝食を済ませ、7時半にタクシーで出発した。朝ということもあり、5分で空港に到着。チェックインをしたが、1時間を切っているのにまだ出国ゲートが開いていない状態なのにはびっくりした。さすが南国のリゾート。しかし小さな空港のゲートに入っても、免税品店は全くなく、これはまたシンガポールについてから到着ゲートの免税店で購入だと考えていた。しかし、これは始めての経験であったが、マレーシアからの帰国ではシンガポールでは免税枠がないということであった。いずれにしろ、帰りのフライトも1時間弱。エア・アジアの機内は冷房が効きすぎて寒く、凍えながらではあるが、あっという間に家までたどり着く、気楽な移動であった。

 マレーシアのリゾートは以前にペナンに滞在して以来であるが、ペナンでのナイト・マーケットが楽しかったことから、今回も大いに期待していた。しかし、一応、移動式のナイト・マーケットがあるという情報はあったが、曜日毎に場所が替わり、且つ空港等、一般の街中ではない場所で開かれるということで、あえてそこを覗こうという気になれなかった。それに加え、一般の町が、期待にそぐわず、散歩をしていてもあまり面白くなかったのは前述のとおりである。マッサージに関しては、以前ペナンに滞在した際は、アジアでのこの楽しみを知らなかったこともあり、そこでの価格や質と比較することはできないが、ここランカウイでは楽しめなかったことは前述のとおりである。一般的に言って、この島は、政府の肝いりでリゾートとして開発しているということからだろうか、観光客向けのサービスの価格は割高である。しかし、タイやインドネシアでは、金を落とす外国人観光客向けのサービスと共に、ローカル向けの設備もあり、こちらは安い価格でサービスを受けることが出来る。実際、以前プーケットのラグーン地域の高めのホテルに滞在した際は、もちろんホテルの中のスパなどはUS$100を超える価格設定になっているが、その敷地を一歩出ると、ローカル価格でマッサージを楽しめる、そこそこの雰囲気の店が軒を並べており、我々は毎日通ってしまったものである。しかし、残念ながら、この島では、もともとローカルの人口が少なく、そもそもの需要がなかったせいだろうか、こうした程々のローカル向けインフラがまだ出来ていない、という感じがしたのである。そうしたことを考えると、この島のリゾートとしての評価を高めるには、もう一段の工夫が必要なのではないだろうか。

 尚、後で気がついたのだが、ホテルのチェックアウト後、領収書を見ると、初日の昼食代(約Rm100)やプールサイドのバーで毎日食べたアイスクリーム代、そして最終日の夕食をとったビーチ・バーでのピザ代等々、ずいぶん請求されていない項目があった。我々にとっては有難い話ではあるが、まったりした国柄とは言え、あまりに大雑把(ずさん?)な会計処理である。この辺りが、マクロの経済で見ても、この国の経済成長が、周辺諸国との比較で、最近やや停滞していることのひとつの要因なのではないかとも感じたのである。

2010年1月6日 記