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旅行
バリ滞在記(写真付)
2010年8月9日ー14日 
 夏休みで家族がシンガポールに滞在した期間のうち、8月9日より14日までの6日間をインドネシア、バリ島での休暇で過ごした。日本人観光客に人気のあるリゾートであると共に、過去には日本人が巻き込まれた爆弾テロ事件や殺人事件等もあり、その度に一旦客足は途絶えるが、また忘れられた頃に戻ってくるということを繰り返してきたバリ。我々にとっても、2008年3月以来3度目の滞在であるが、過去のそうした事件はあまり気にならず、今回も能天気な時間を過ごすことになった。この島に関しての情報はいくらでも溢れていることから、ここで特段変わった報告ができる訳ではないが、取り敢えず我々のそうした怠惰な生活をご覧頂きたい。

 8月9日(月)、午前10時発の格安航空会社エア・アジア(QZ8491)は、予定通り12時半過ぎにデンパサール空港(Ngurah Rai Int’l Airport)に到着した。シンガポールとの時差はない。シンガポールに近いビンタン島やジャカルタは、バンコクと同様1時間の時差があるので、インドネシア内でもジャカルタからバリに移動すると1時間の時差が発生することになる。改めて、シンガポールが無理をして、東京等と1時間差に設定しているということを感じたのである。

 機内で、一人離れて前の席に座った私は、悪名高いインドネシアのビザ窓口に早く到達するため、早足で出口に向かう。しかし、結果的には、同じ便では1番に辿り着いたビザ窓口はガラガラで、待ち時間なく4人分のビザを、用意してきたUS$100で購入した。

(ヴィラ:PrahDa Villa)

 ピックアップに来ていた宿泊先エージェントの車で、今回の宿であるPradHa Villa Seminyak に向かう。前回の滞在でヴィラが気に入った我々は、今回もネットで探したプライベート・プール付のヴィラを予約している。5泊、US$1560(約15万円弱)というコストは、前回宿泊したヴィラの「新規開店価格」よりもやや高めであるが、家族4人ということを考えると妥当な値段である。但し、到着時に、用意していたUS$のうち、500ドル相当の紙幣(1999年以前の発行分と特定のシリアル番号)が「バリでは流通しない」ということで、エージェントに受領拒否され、最終的にチェックアウト時に円とルピアで決済することになったが、滞在中、それらのUS$紙幣も町の両替屋で何ら問題なく交換できたので、いったいこの受領拒否は何であったのか、と話すことになったのであった。

 前回のヴィラは居間と二つの寝室が二階建ての一つの大きな建物の中にあったが、今回のそれは、平屋で、居間とキッチンはオープンスペースにあり、その周囲に2つの寝室が離れて建てられている。プールの大きさは前回と同じくらい(縦8メートル、横2メートル程)。オープンスペースにオーディオ、各寝室にDVD付きのTVが置かれており、音楽好きの我が家は、その後これらをフルに使い続けることになった。また、居間の食事テーブルでは、前回と同様、毎日洋食も含めたメニューから選択した朝食と、午後のハイティーがヴィラ従業員により準備された。もっとも私は、5回の朝食は、全てナシゴレンかミーゴレンという選択になったが、これが両方ともさっぱりした日本的な味で気に入ってしまったのであった。

(Villa入口通路)


(Villa室内)





(朝食のナシゴレン)


 さてこうして始まった我が家のバリでの休日であるが、今回は、いつものように時系列で書き連ねるのではなく、特定の活動につきまとめて記載することにする。項目としては、まずどこでも旅行の最大の楽しみである「食事とレストラン」。続いて、我が家の場合はやや怠惰ではあるが、時折アレンジをした所謂「観光」とこれまたあまり熱心でない「ショッピング」。そして最後に、我が家のアジアでの休日の定番である「マッサージ」の4つである。

(1)食事

8月9日(月)昼食:Warung Kedewatan

 午後2時前にホテルに到着しチェックインを済ませたが、まだ部屋の準備が出来ていないということであった。もちろん時間も時間であり、お腹もすいていたので、ホテルの近所にある気軽なワルン(大衆食堂)で、軽く昼食を取ろうということになった。

Warung Kedewatanというそのワルンは、丁度私の幼少時、夏休みを過ごした湘南海岸にあった親戚の家の周りのような懐かしい雰囲気の中、夏樹に囲まれたのんびりしたオープンエアの店である。庭に置かれた丁度4人用の座敷席に、靴を脱いで上がり、早速ビール他の飲み物とナシゴレン等の盛り合わせを3皿注文する。味は一般的であるが、空腹と明るい陽射しの中で、直ちにのんびりしてしまう。料金は4人でRp125,000(円/ルピアは1円=約100ルピアなので、換算は楽である)と格安でまずは満足。

夕食:Warung Batavia 

 昼から戻り3時過ぎに部屋に入る。荷物の整理や、早速部屋のプールで泳いだりとのんびりした後、夕刻のレストランを探す。ホテルがあるスミニャック地域は、西洋人向けの高級レストランがひしめいている地域であり、前回の滞在時も、一回だけそこのイタリアン・レストランに行ったことがあるが、今回はまた到着直後でもあり、また昼が遅かったこともあり、ローカルで軽くいこう、ということで、ガイドブックお奨めのワルンを目指し、タクシーでホテルを出る。この地域のタクシーは、メータータクシーである「ブルーバード・タクシー」が最も信頼できる。これはスタート料金がRp5,000、呼んだ場合の最低料金はRp15,000であるが、観光客が訪れる町の中であれば、この最低料金からRp20,000くらいで収まるので、その後も多用することになる。

 ガイドブックに掲載されていた地点で、一旦タクシーから降りようとしたところ、運転手が、「ここの店はもう閉まった」という。確かに、「Warung Batavia」という看板はかかっているが、その下の建物は工事中である。またタクシーに乗り直し、移転したという先に向かう。

 こうして到着した店は、やはり簡素な造りの大衆食堂。その割には青眼の家族らしき集団がテーブルを囲んでいた。店のお薦めに従い、鳥唐揚げ、ナシチャンプルー、空芯菜等を注文したが、締めてRp230,000。味もごく一般的で、可もなく不可もなし。この日は、食後、以前にも何度も訪れているビンタン・スーパーに立ち寄り、最初の買い物(といっても、部屋で飲むビールや清涼飲料等)をしてからヴィラに戻った。

8月10日(火)昼食:Cafe Seminyak

 午前中を後述するウォータースポーツで過ごした後、軽くシャワーを浴び、そのまま昨晩訪れたビンタン・スーパーで、その時にチェックしたバリ名物の石鹸といった小額の土産品を購入。既に時間が午後2時近くなっていたことから、そのスーパーの横、通りに面したカフェで昼食を取ることにした。青眼中心の小奇麗なカフェで、その分値段はやや高め。飲み物+ホット・ドックやハンバーガー等でRp230,000弱。ローカル・フードは小休止である。

夕食:Warung Wahaha

 午後をヴィラでゆっくり過ごした後、夕刻当地で初めてのマッサージに行ったが(後述)、その終了後、近所にあるスペアリブ専門のワルンに行くことにして、スパの車で送ってもらった。広いバイパス道路沿いに、大きな豚の看板がかかった小奇麗なワルンがある。広い店内の奥に庭が広がっており、その先も畑が広がっている。その庭先の見晴らしが良いテーブルに席を取る。沈みかけた夕日の残り陽の中、涼しい風が抜け気持ちの良い夕べである。早速この店の定番である豚のスペアリブとビーフシチューを注文したが、スペアリブはトニーローマなどで食べるのと遜色ない味。しかし料金は飲み物込みで圧倒的に安いRp250,000。値段のせいだろうか、帰りがけに入り口近くでタクシーを待っている時に眺めると、然程込んではいないが、ローカルっぽい若者のカップル等もテーブルを囲んでいた。

(Warung Wahahaとスペアーリブ)


 
 タクシーでヴィラの近所に戻り、そこで軽くカクテルでも飲もうということで場所を探した。しかしながら、ヴィラの近所には、やはり大規模ホテルが並んでいる海岸線以外は適当なところがなく、ヴィラに向かって狭い道を歩いていると、暗闇の中に結構大きなレストラン・バー(Loloan Bar & Restaurant)があるのが見えた。店の男性に聞くともちろんカクテルもあるということだったので、レストランとバーの間に広がる広い庭に置かれたテーブルにつき、飲み物だけ注文した。壁のないオープンスペース風のレストランは、結構大きいけれども、客はまったく入っていない。そのせいか、バーの男性も暇で、カクテルを飲みながら、我々と雑談三昧で時間を潰すことになったのであった。値段は、食事と変わらないRp250,000と、我々としては贅沢をしてしまった。

(バー・レストラン Loloan)


8月11日(水)昼食:Warung Bunana

 特段の予定を入れていない1日、午前中巨大な雑貨卸売り店であるGenevaを見て回った後、その近所にあるカレー専門のワルンに立ち寄った。10人も入れば一杯になる感じの小さなワルンであるが、店が近くなると、カレーの香りが漂ってくる。入り口には、クレープ屋のように、当地独特のロティを焼く円形の鉄板が置かれている。カレーのメニューは、チキン、マトン、野菜の3種類のみ。この日はその内マトンが品切れということで、チキンと野菜の二種のカレーと、バナナとチーズのロティを注文した。甘いロティは、カレーにはどうかな、と思っていたが、食べてみるとインドカレーほど脂っこくないさっぱりしたカレーの風味とロティの抑えた甘さがぴったり合い、なかなかの味であった。値段はRp125,000、ということで満足。

(Warung Bunana)


夕食:Tekor Bali,Beach Side Bar & Restauran, Legian Kaja

 午後、プールサイドでの読書などでゆっくり過ごした後、夕刻、後述のクタ地域にあるマッサージ屋を予約し、それが終了した後、海岸沿いまで散策した。この地域は、海岸線に沿って青眼向けの高級ホテルが立ち並んでいることもあり、青眼向きのしゃれた、しかし値段の高いレストランが軒を連ねているが、我々は、マッサージ屋で奨められたシ−フード専門のワルンに腰を落ち着けた。注文したのは、海老すり身のロータスリーブ巻き、イカ焼き、ソードフィッシュ等。後者2つは平均的な味であったが、海老のロータスリーブが、辛味が結構きついのに少しびっくりした。しかし、その当初の意外感が消えると、白米と一緒に美味しく食べられた。値段は、やや高めのRp266,000。

 夕食後、海岸通りを散策しながら、食後酒でも飲もうかと適当な場所を探したが、どこも西欧風であまり面白くなかったことから、タクシーでヴィラの近所に戻り、そこで軽く呑める場所を探した。昨日行ったところは、値段も高いことから、この日はカクテルではなく、デザートでピサンゴレン(揚げバナナ)を食べようということになる。これは通りに出ている小さなストールで食べるのが一番美味しいのであるが、夜も遅くそうしたストールもないので、昨日入ったバーの向かいにある小さなワルン(Canisca Restaurant)で出来るかどうか聞いてみる。出来る、ということだったので、そこでチーズ味とチョコレート味のピサンゴレンを注文した。お皿に盛られた上品なデザートであった(Rp130,000)。

(Canisca Restaurant)


8月12日(木)昼食:Grand Puncak Sari, Hotel& Restaurant, Kintamani

 この日は、今回の滞在の中では珍しく、ほぼ1日の観光日である。詳細は後述のとおりであるが、昼食は何となくドライバーの薦めを断るという感じでもなく、そのままバリの観光地であるキンタマーニ高原にあるブッフェ・レストランで取ることになった。確かに180度広がった山と湖の景観は素晴らしく、 ブッフェの内容もまあまあであったが、恐らく運転手へのキックバック分も含まれているのであろう、一人Rp90,000という値段は、今回の滞在で最も高価な食事であり、飲み物や21%の税金も含めRp479,000と、豪華な昼食になった。

夕食:Warung Mina,Ubud

 昼食を言われるままの店に入り豪華に済ませたので、夕食はこちらから運転手に場所を指定した。夜のレゴン・ダンス前に、ウブドにある魚専門ワルンの、一段上がった高台の庭にある座敷席で、揚げ魚、イカ等を注文した。下にある本体のキッチンで料理された品をウェイトレスが手に持って階段を上がってくる。魚料理は2つ注文し、一つは揚げ魚、もう一つは焼き魚を注文したつもりであったが、両方とも揚げ魚であった。しかし味は普通で、値段はRp173,000と安かったので良しとしよう。

(Warung Minaと魚料理)



8月13日(金)

 もう滞在も残り僅かになったこともあり、午前のショッピング後の昼食は、持参したカップヌードルをヴィラで食べ、午後はゆっくりした後、夕食ブッフェ付のクルーズに向かった。このクルーズは、後述する。

8月14日(土)昼食:Jaya Sempurna, Kerobokan

 最終日である。午前12時がチェックアウトということで、午前中は近所のモダンなSCである「サイアム・スクエア」でショッピング。その合間に、そこにあるコーヒー・ショップ「Bali Bakery」で、アイス・カプチーノ/ラテで一服した(Rp66,000)。一旦ホテルに帰りチェックアウトした後、近所に昼食に出かけた。

 何度も海岸への散歩で通った道沿いに、ローカルの小さな店が並んでいるが、そのひとつの中華ワルンに落ち着いた。入り口のキッチンで数人のお兄さんが調理をしているが、中は意外と広い。完全にローカル専用の店で、客は近所のホテルの従業員と思われる制服姿の若い女性やローカルの男性だけ。鳥甘酢かけ、野菜炒め、卵焼きなどを取ってRp78,000というのは、まさにローカル価格であろう。味は充分であった。こうしてバリ最後の食事を取った後、いったんホテルに戻り、飛行場に向かう前の最後のマッサージに向かったのである。

(2)エンターテイメント

 我が家の休暇は、前述のとおり、あまり事前の予定を立てず、朝起きてから、「さて、今日は何をしようか」と考えることが多いが、一部事前のアレンジを必要とする活動については、あまり強行軍にならない範囲で動くこともある。今回のバリ滞在で、アレンジしたこうした活動は、以下の3つである。

8月10日(水)午前:ウォータースポーツ

 2007年12月、初めてこの島を訪れた時はヌサドア地区にあるホテルに滞在し、その近所の海岸でウォータースポーツを楽しんだ。この時は、滞在初日にこのウォータースポーツをやった後、翌日から3日間にわたり暴風雨がほとんど途切れず島を襲い、天候的には散々であったが、今回も事前にウォータースポーツの手配を行っていた。場所は、その時と全く同じヌサドアの海岸。スミニャックからは、迎えの車で30分ほどかかる。そこで子供たちは、パラセイリング、ジェットスキー、バナナボート3種で3,000円/1人のパックを楽しみ、大人はバナナボートだけ参加した。やや風が強く、以前にやった時と比較すると、パラセイリングの時間が短いように感じたが、気候は暑くもなく、寒くもなくということで、それなりに楽しめた。

(ヌサドア海岸でのウォータースポーツ)



8月12日(木)終日観光

 出発前に、この島にある日本人エージェントのウェッブサイトを幾つかを比較して、最も価格の安い先を通じて、運転手付の車を12時間(4,000円)借りることにした。結果的に、以前の滞在でも使ったエージェントが最も安く、また運転手のヤサも、その時に雇ったことのある男性で、3年振りの邂逅を懐かしんだ。10時にホテルで落ち合い、まずはガムランボール等のショッピングをした後、前述のキンタマーニ高原に向かった。

 直行でスミニャック地区からは2時間程度ということで、高原の頂上に着いたのが午後1時頃。車で走っている途中から空に雲がかかり始め、頂上の展望テラスに着いた時は、正面の火山がやや霧に包まれていたが、食事の最中から霧が晴れてよく見渡せるようになった。登る前は、もちろん夏の日差しで暑かったが、ここに来ると上着がないと寒いくらいである。しつこい物売りが溢れていることもあり、外にいる時間はほどほどにして、帰途につき、途中で有名な段々畑(ライス・テラス)の景観を楽しんだ後、3時半に予約していたウブドのマッサージ屋に到着。1時間半のコースを終えた後、以前にも一回来ているウブドの町を散策し、前述の夕食を終えてから、午後7時過ぎにレゴン・ダンスの会場である宮殿に向かった。

(キンタマーニ高原頂上の景観とライス・テラス)



 屋外にある宮殿の中庭のような空間で行われるレゴン・ダンスは7時半の開演。前回ケッチャップ岬の屋外劇場で見たケッチャプ・ダンスと同様、当地のトラッドなダンス・ショウである。配られた日本語のパンフレットによると一応物語仕立てになっているようであるが、そうしたストーリーは分からなくとも、短時間であれば視覚的に楽しめる。ただ、席がシートを引いた平地であったので、終了後は足腰に疲れが貯まることになった。
ショウは8時45分くらいまで続き、終了後、入り口まで迎えに来た運転手と合流し、夜の道を走り、ヴィラに帰還したのは10時少し前であった。

(レゴン・ダンス)


8月13日(金)

 帰国前日最後の晩ということで、急遽前日にアレンジを行ったのがサンセット・クルーズ(Bali Hai Cruise、US$40/p)である。4時半にヴィラでピックアップされ、港に着いたのが5時過ぎ。5時半に乗船すると、船は直ちに出港し、やや雲が出ていたが、その中を沈む夕陽を浴びながら、屋上デッキでのんびりと流れる景色を眺める。直ぐに一階下のブリッジデッキのバーで、女性歌手とキーボードによる演奏が始まり、カクテルを飲みながらゆっくりしているうちに、ブッフェの準備が整ったということで、もう一階下のメインデッキに移り、簡単な巻き寿司等もある夕食を楽しんだ。食事の後半、ブリッジデッキで歌っていた女性歌手がメインデッキに移り、客のリクエストなども受けながら演奏している。

 午後7時半頃、食事時間が終わるとキャバレーショウの開始である。女性歌手は、またブリッジデッキに移るが、事前の情報では、ほとんどの客がキャバレーショウを見るので、この演奏は「独り占め」ということで、それも良いかなと思っていたところ、キャバレーショウが意外と面白く、結局これを最後まで見ることになってしまった。

 そのショウは、スタートはレゴン・ダンスと同じご当地民族舞踊で、「またか」と思っていたが、直ちに男女3人ずつによるフレンチ・カンカンから、とんでもない大柄で厚化粧のオカマの歌(但し、口パク)。そしてボディビルで鍛えたマッチョの男3人が出てくると、船内は興奮の坩堝である。オカマはその後も何回か衣装を変えて登場し、8時まで続いたが、結局最後まで見てしまった。終了後は、キャバレーショウの出演者を交えたディスコタイムとなり、我々もオカマやマッチョと一緒の写真を撮ったりしたのであった。

 10分ほどメインデッキでディスコタイムを楽しんだ後、今度は早めにブリッジデッキのバンドのところに移動し、日本語の歌も演奏できるということで、家族は生オケを歌ったりしている内に、気がついたら船は出発したピアに横付けされていた。時間は8時半を回っている。ほとんど最後に下船し、送迎の車で、来た時と同じオーストラリアからの老夫婦とキャバレーの話などで盛り上がりながら帰宅したのであった。

(サンセット・クルーズと夕日)



(3)買い物

 我が家は買い物にはあまり熱心ではなく、今回も、買い物と言えば、ローカルのスーパーで簡単に済ますという感じである。しかし、観光客向けの店で買うよりも、ローカル・スーパーのほうが間違いなくパフォーマンスは良い。以下は、若干のローカル・ショップでのショッピング記録である。

8月10日(水):Bintang Pusat Belanja, JL.Raya Seminyak

 以前の滞在でも重宝し、今回も何回か訪れたのが、 ビンタン・スーパーである。一般の食料品や飲料に加え、お土産関係も結構充実しているので使いやすい。周辺のお店もしゃれているので、買い物をした後は、だいたい通りに沿ってブラブラした後、流しているタクシーを拾ってヴィラに帰っていた。

(ビンタン・スーパーと周辺)




8月12日(木):Yanyan Gold & Silver Smith

 車を借りての終日観光の途中で、運転手の奨めで立ち寄ったガムランボール等の金属装飾品の専門店である。スミニャックから車で30分くらい。そこそこ高級な住宅が並ぶ地域にポツンとある店であるが、この日は、HISを含めた日本人のツアーが次から次に訪れていた。我々が購入したのはガムランボール1個 (Rp250,000)。

8月13日(金)

 観光客ご用達の高級免税店DFSガラリアは、無料のタクシーサービスがある。前回も同様であったが、我々はこの無料タクシーでガラリアに行くが、店は素通りし、その裏にあるローカルのSCへ向かった。前回お土産を調達した「マタハリ・スーパー」が目標である。そこに行く途中のCD屋(Disctarra Mall, Galeria)で、私は、前回の滞在時から気になっていたガムランDVDをRp62,500で購入したが、全く同じDVDが、ガラリアではRp90,000、他の店ではRp130,000であったので、満足。マタハリ・スーパーは3年前に来た時に比べ、店内がすっかり垢抜けし、レイアウトも大きく変わり、シンガポールのSCの店とほとんど変わらない感じになっていたのにびっくりした。これもインドネシア経済のこの3年間での成長の結果なのだろうかと考えていた。結局この日は、ここでは軽いおやつを食べたくらいで、その他の買い物はしなかった。

8月14日(土)

 ヴィラから徒歩でも10分程度のところにあるSC「スミニャック・スクエア」は最近完成したきれいな2階建てモールである。ヴィラの行き帰りに毎日のように見ていたが、私が行ったのは最終日の出発前の午前中である。バティックの専門店で手提げを買ったほか、併設されているきれいなスーパー(Casa Gourmet Bali Seminyak Square)でお茶などの最後の土産の補充を行った。

(スミニャック・スクエア)


(4)マッサージ

 前回家族で休暇を過ごしたマレーシアのランカウイ島ではマッサージには恵まれなかったことから、その反動もあり、今回はほぼ毎日通い詰めることになった。マレーシアに比べると、至る所に「Spa」の看板があるので、これはこの島の最大の観光資源の一つであることは間違いない。バリのそれは、タイの関節マッサージと異なる、オイルによるリラクゼーション型のマッサージであり、終了後はシャワーで軽くオイルを流すが、その後も残ったオイルで、何となく肌が心地よいのが特徴である。我々が今回行ったのは以下の3か所である。

8月10日(火)及び8月14日(土): Murano Salon & Spa (Rp83,000/1時間/p )

 広いバイパス道路から少し左に入った場所にポツンとあるスパであるが、建物も、内装もきれいで、結局最終日のホテル・チェックアウト後に、もう一回行ってしまった。値段も、もっと汚い町中のスパとほとんど変わらず、マッサージの腕もまあまあであった。終了後出てくる、生ショウガがたっぷり入ったジンジャー・ティーが格別であった。

(Murano Spa)


8月11日(水)Sicillia Spa (Rp83,000/1時間/p)

 クタにある、上記のMurano Salon & Spaの姉妹店。送りの車の運転手は、昨日と同じお兄さん。個室の空きはなく二人ずつ一緒のマッサージであった。マッサージの腕は然程変わりないが、昨日のところに比べるとやや店内が雑然としている感じであった。

8月12日(木):Jelatik Esthetic, Ubud Rp130,000/1時間半/p 合計Rp520,000

 ウブド観光の一環で、出発前にネットで予約をしていた。ウブドのモンキーフォーレスト通りにあるきれいなスパで、今回のマッサージの中では唯一男性の担当者であった。やはり男性であることから力が強く、また1時間半ということもあり、終了後の達成感は最も高かった。

(Jelatik Esthetic)


 こうして6日間のバリ島滞在を終え、8月14日(土)17:40デンパサール発のエアアジアQZ8496便で帰国の途についた。機内ではこれからトランジットで13時間かけてフランクフルトに帰国するというドイツ人老夫婦の隣席で、家族も交え久々のドイツ語での話で盛り上がっている内に定刻20:15にシンガポールに到着したのであった。

 改装されたスーパーマーケットや新しいSC等、3年振りのバリが経済成長の恩恵を受けて近代化しつつあることは、既に書いたとおりである。それでも、町全体は、以前の長閑な印象をそのまま残しており、特に都会のシンガポールから訪れると、いかにも田舎での夏休みという懐かしい感覚を抱かせてくれる。それに加えて、やはりバリ・ヒンドゥー教という、地場の自然信仰と混ざった独特の宗教文化が、そうしたゆったり流れる時間に刺激を与えてくれる。今回、余暇の時間にプールサイドで、バリの影絵人形芝居(ワヤン)に魅せられ、ウブドに近い村で、ガムラン演奏と人形芝居の修行を行った梅田英晴という音楽家の回想録(「バリ島ワヤン夢うつつ」木犀社2009年刊)を読んでいたが、まさに、この島と文化の虜になってしまう人々がいるのも分かる気がする。あまり細かい予定をたてず、気ままに時間を過ごす我々家族にとっては、宿も心地よく、食事も安くて美味しい、そしてマッサージを含め、それなりのエンターテイメントのアレンジも容易なこの島は、絶好のリゾート地であることを、改めて感じたのである。

 尚、帰宅後、ヴィラのオーディオにCDを1枚入れたまま帰ってきてしまったことに気がついた。帰国後ヴィラに連絡を取ると、既に見つけてくれていて、現在発送の手配を検討しているとのこと。そんな素朴なサービスも非常に印象的であった。

2010年8月22日 記

(追伸)
 上記CDは、その後、同じヴィラに宿泊したシンガポール人に託され、無事手元に戻りました。たいした値段の物ではありませんが、ヴィラの気使いが示されていて、良い気持ちになりました。